SDカードって、正直どれでもいいと思っていた時期がある。容量さえ足りれば。でも40コマ/秒連写をバッファ詰まりなしで使い切るようになってから、考えが変わった。
スペックシートの「読込速度」だけ見ても、実際の撮影体験には直結しない。書き込み速度、規格、カメラ本体との相性——全部込みで「使えるカード」かどうかが決まる。今回は実際に使い比べた4枚を、忖度なしで並べる。
① Gigastone 4K Camera Pro 256GB(UHS-I V30)
② SanDisk Extreme 256GB(UHS-I V30)
③ Lexar Professional 1667x 256GB(UHS-II V60)← 個人的に実際に使っている
④ ELECOM UHS-II V60 256GB(UHS-II V60)
この記事の結論
- UHS-II対応カメラで、コスパ最優先の人 Lexar Professional 1667xBEST UHS-II V60・読込最大250MB/s・無期限保証(個人的に実際に使用中)
- カメラがUHS-I対応のみ、信頼性重視の人 SanDisk Extreme UHS-I V30・読込180MB/s・書込130MB/s・無期限保証
- UHS-I機で、とにかく256GBを安く確保したい人 Gigastone 4K Camera Pro UHS-I V30・5年保証+データ復旧
- UHS-II対応で、防水やデータ復旧サービスも欲しい人 ELECOM UHS-II V60 読込280MB/s・書込150MB/s・IPX7防水
4枚のスペックを一覧で比べる
| 項目 | Lexar 1667xBEST | Gigastone 4K Pro | SanDisk Extreme | ELECOM UHS-II V60 |
|---|---|---|---|---|
| 規格 | UHS-II | UHS-I | UHS-I | UHS-II |
| ビデオクラス | V60 / U3 | V30 / U3 / A1 | V30 / U3 | V60 / U3 |
| 容量 | 256GB | 256GB | 256GB | 256GB |
| 最大読込 | 250 MB/s | 100 MB/s | 180 MB/s | 280 MB/s |
| 最大書込 | 120 MB/s | 記載なし | 130 MB/s | 150 MB/s |
| UHS-I機との互換 | ○(後方互換で動作) | — | — | — |
| 防水 | — | — | ◎ | ◎ IPX7 |
| 保証 | 無期限 | 5年+データ復旧 | 無期限 | 3年+データ復旧 |
| こんな人向け | コスパ最強UHS-II | とにかく安く256GB | 信頼第一の入門 | 安心重視のUHS-II |
| 総合スコア | 9.4 / 10 | 9.1 / 10 | 9.2 / 10 | 9.3 / 10 |
太字は4枚の中でもっとも優れる値。「—」は執筆時点で各メーカーの公式情報として明記を確認できなかった項目(Gigastoneの書き込み速度公称値、各カードの防水・後方互換の記載有無など)。スペック・保証内容は変動するため購入前に必ず最新情報を確認してほしい。
まず「UHS-IとUHS-IIって何が違うの?」を解消する
SDカードで一番ややこしいのが規格の話。初心者がつまずくのはだいたいここだ。シンプルに言うと、バスの線路の数が違う。
UHS-I(現行主流)
理論値最大104MB/s。ほとんどのミラーレス・一眼レフで使える。独自技術でそれ以上の速度を出す製品もある。カメラがUHS-II対応でなくてもこれで十分な場合がほとんど。
UHS-II(高速規格)
カード裏面に端子列が2列ある。理論値最大312MB/s。カメラもUHS-II対応である必要がある。対応機でなければUHS-Iの速度に落ちる。EOS R6 Mark IIIはUHS-II対応。
つまり「高いUHS-IIカードを買えば必ず速くなる」わけではない。カメラがUHS-IIに対応していることが前提条件。まずそこを確認してほしい。
01Gigastone 4K Camera Pro|とにかく安く256GBを確保する1枚
「とにかく256GBを安く手に入れたい」という人の選択肢。読込100MB/sというスペックは最速ではないが、フルHD・4K動画・RAWの連写程度なら普通に動く。UHS-I機なら実用上の不満は出にくい。
Gigastoneはアメリカのブランドで、5年保証+データ復旧サービス付きというのは正直この価格帯では頑張っている。ただし書き込み速度の公称値が明示されていない点はモヤつく。連写ヘビーユーザーには向かない。
→ UHS-I機で、とにかく256GBを安く確保したい人に。
良かった点
- この価格帯で256GBが確保できる
- 5年保証+データ復旧サービス付き
- UHS-I機なら日常撮影は問題なし
気になった点
- 書き込み速度の公称値が不明——高速連写には不安が残る
- ブランドの認知度が低く、長期信頼性が未知数
- UHS-IIカメラで使っても速度向上はない
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02SanDisk Extreme|UHS-Iの「定番」を素直に選ぶなら
SDカードの「定番」と言えばこれ、というブランド力がある。UHS-I機を使っているなら、素直にこれを買っておけばまず間違いない。読込180MB/s・書込130MB/sという数字は、UHS-Iカードの中ではトップクラスだ。
防水・耐衝撃・耐X線と環境耐性も申し分ない。無期限保証も安心材料。「初めてちゃんとしたSDカードを買う」なら、個人的にはGigastoneよりこちらを勧める。価格差は数百円から千円程度のはずで、その差を払う価値はある。
→ カメラがUHS-I対応のみで、信頼性重視の人に。
良かった点
- 書込130MB/sはUHS-I最速クラス——連写後のバッファ解放が速い
- 防水・耐衝撃・無期限保証で信頼性が高い
- 世界中で使われている実績。サポートも安心
気になった点
- UHS-II対応カメラを持っているなら、Lexarに乗り換えた方が費用対効果が高い
- 読込180MB/sはQuickFlow Technology使用時の値で、対応リーダーが必要
03Lexar Professional 1667x|個人的に実際に使っている、総合ベスト
正直に言う。これが今のところ「最強のコスパ」だと思っている。UHS-II V60という規格で、読込250MB/s。同等スペックのProGrade DigitalやSony TOUGH、Lexarの上位モデルと比べると、価格は半分以下になることもある。
EOS R6 Mark IIIでこれを使い始めてから、撮影後のプレビュー表示が明らかに速くなった。40コマ/秒連写のあと、カードへの書き込みを待つ時間が肌感覚で半分以下。「UHS-IからUHS-IIへの乗り換えは体感できる」と書いたレビューをよく見かけるが、これは本当にそうだ。
V60というビデオクラスは、最低書き込み速度60MB/sを保証している。4K60fps All-Intraのような高ビットレート動画でも、書き込みエラーが出にくい。UHS-II対応カメラを持っているなら、価格差を払ってこれを選ぶ理由は十分にある。
→ UHS-II対応カメラで、コスパ最優先の人に。
良かった点
- UHS-II V60の中でダントツのコスパ——同規格の高級品の半額以下で買える
- 読込250MB/sで、PC転送時間も実感レベルで短縮できる
- UHS-I機でも後方互換で動作する(速度はUHS-Iに準じる)
- 無期限保証。Lexarのサポート体制は現時点で問題なし
- 1667xという数字通りの安定した読み出しを感じている
気になった点
- UHS-II対応カメラでないと、速度のメリットを享受できない
- 防水・防塵の記載がない。野外での取り扱いは慎重に
- 「Original Lexar」と表記されたAmazon出品は並行輸入品の可能性あり。国内正規品を確認してから買うこと
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04ELECOM UHS-II V60|スペック最上位、防水・データ復旧で安心を買う
4枚の中でスペックだけ見れば最上位。読込280MB/s・書込150MB/sはLexarの1667xを上回る。加えてIPX7防水+データ復旧サービス付きというのは、現場での安心感が違う。雨の中や海辺での撮影が多い人には刺さる。
ELECOMというブランドはPCアクセサリーの老舗で、国内サポートが充実している。修理や問い合わせ先が日本語で完結するのは、細かいようで使い続けていると意外と助かる。
ただし価格はLexarより高め。書き込み速度が30MB/s速くなったことで、撮影体験が大きく変わるかというと、正直「誤差に近い」というのが本音だ。その価格差を払う理由が「防水が欲しい」「データ復旧サービスがないと不安」という人向け。
→ UHS-II対応で、防水やデータ復旧サービスも欲しい人に。
良かった点
- 4枚中スペック最上位——書込150MB/sはV60では相当速い
- IPX7防水+データ復旧サービスで現場トラブルへの備えが厚い
- 国内ブランドで日本語サポートが充実
気になった点
- Lexarとのスペック差に対して価格差が大きい——コスパ重視ならLexarで十分
- 保証が3年とLexarの無期限より短い
- 防水・データ復旧が必要なければオーバースペックになりやすい
カメラがUHS-IIに対応しているかどうか——それだけ確認すれば、選択肢は自然と絞れる。EOS R6 Mark IIIなら迷わずUHS-IIを選んでほしい。体感が違う。