マウスを動かすのをやめた。それだけで、夕方の肩が変わった。
朝は問題ない。昼過ぎから右肩が重くなる。夕方には首から肩にかけて張った感じがずっとある。ストレッチしても翌朝にはリセットされるが、また同じことを繰り返す。
原因がマウスだと気づいたのは、同僚に「トラックボール使ったら治った」と聞いてからだ。半信半疑で調べて、M575Sを買った。1週間後、夕方の肩の重さが明らかに軽くなっていた。
マウスを動かすという動作が、これほど腕・肩・首に負担をかけていたのかと、使い始めて初めて実感した。
Logicool ERGO M575Sとは
ロジクールが展開するエルゴノミクスシリーズの定番トラックボールマウス。親指でボールを転がしてカーソルを操作する「親指操作型」で、本体そのものを動かす必要がない。トラックボール入門機として圧倒的な支持を集めるロングセラーの最新静音モデルがM575Sだ。
旧モデルM575からの主な変更点は静音クリックの採用。クリック音を約80%低減しており、会議中の操作音や深夜の作業音が気にならなくなった。
主要スペック
| 操作方式 | 親指トラックボール・オプティカルセンサー |
|---|---|
| 接続方式 | Bluetooth / Logi Bolt USBレシーバー(2台切替対応) |
| ボタン数 | 5ボタン(戻る・進む含む) |
| 静音クリック | 約80%ノイズ低減(左右メインボタン) |
| 電池寿命 | 最大24ヶ月(単三電池1本) |
| 対応OS | Windows / macOS / iPad OS |
| カスタマイズ | Logi Options+ 対応 |
使ってわかった、3つの変化
1. 「腕を動かさない」の快適さは、使うまでわからない
普通のマウスは、カーソルを動かすたびに前腕全体が動く。A4用紙一枚分のスペースをマウスが往復する。一日8時間その動作を繰り返せば、腕・肩・首への蓄積は相当なものだ。
M575Sは本体が定位置に固定されたまま、親指だけが動く。腕は机の上に置かれたまま。この「腕が動かない」という状態が、長時間作業での疲労感を根本から変える。画面端から端まで一瞬で移動できる操作感も、慣れると普通のマウスには戻れない理由のひとつだ。
2. 1週間の「慣れ」さえ越えれば、景色が変わる
正直に言う。最初の2〜3日は戸惑う。細かいボタンへのクリックが難しく、ブラウザの閉じるボタンを押し損ねる。慣れたはずの操作がぎこちなくなる感覚は、ある。
でも1週間を超えたころから、手が勝手に動くようになる。「ポインタ速度を少し下げる」「クリック時は親指をボールから少し離す」この2点を意識するだけで、操作精度は急速に上がる。Logi Options+でカーソル速度を自分に合わせれば、違和感はほぼなくなる。
個人的には、3日で「使える」、1週間で「快適」、2週間で「もう戻れない」になった。
3. 電池2年・静音・省スペース。細かいストレスが全部消える
単三電池1本で最大24ヶ月。充電を忘れて作業が止まる、という現代のワイヤレスマウスあるあるがない。電池切れの予兆LEDが光るので、突然止まることもない。
静音クリックは会議中の操作でも音を気にしなくていい。マウスパッドが不要になるのでデスクが広く使える。これらは個別にはささいな改善だが、積み重なると作業環境の快適度が確実に上がる。
正直に書く「注意点」
- FPSゲームのような瞬間的な大きいカーソル移動には不向き。
これはトラックボール全般の特性で、M575Sだけの問題ではない。 - ホイールにチルト(左右スクロール)機能がない。
横長の表計算を頻繁に使う人は注意が必要。また5ボタン構成なので、多ボタンマウスからの乗り換えでは物足りなさを感じることもある。その場合は上位機種のMX ERGO Sが候補になる。 - 定期的にボールを外して内部を掃除する必要がある。
といっても月1回程度、ボールを押し出してエアで吹くだけ。慣れれば2分の作業だ。
総評
トラックボールへの乗り換えは「慣れるまでが大変そう」という印象で先送りにされがちだ。でも実際の慣れ期間は1週間前後。それを越えた先に、肩が軽くなった夕方が待っている。
M575Sはトラックボール入門として失敗しにくい設計で、静音・省スペース・長電池という実用的な三拍子が揃っている。「マウスで疲れる」という慢性的なストレスを抱えているなら、この一台が解決策になる可能性は高い。