モニターの下をくぐる。それだけで、デスクの景色が別物になる。
「マイクが邪魔」という悩みの正体
マイクアームを買った。音は良くなった。でも気がつくと、画面とマイクが被っている。配信中のワイプにアームが映り込む。作業中、視界の端でアームがちらつく。
これは機材の問題じゃなく、構造の問題だ。一般的なマイクアームは上から吊るす設計——つまりモニターより高い位置から口元へ降ろしてくる。アームがモニターと同じ高さを通過する以上、どうしたって視界に入る。
Wave Mic Arm LPは、その構造をひっくり返した。デスクの低い位置から水平に伸びて、モニターの下をくぐり、口元へ届く。視界の死角を完全に使い切る設計だ。
Elgato Wave Mic Arm LPとは
配信・ゲーミングデバイスで定評のあるElgatoが手がけるロープロファイル型マイクアーム。「LP」はLow Profile(低姿勢)の略で、高さ70mmという極めて低い位置から設置できるのが最大の特徴だ。
アームはアルミニウム製のメタルボディで、ツヤ消し加工が施されている。骨組みがむき出しになる安価なマイクアームとは質感が別次元。デスクに置いたとき、機材というより家具に近い存在感がある。
主要スペック
| 設置高さ | 約70mm(ロープロファイル) |
|---|---|
| アーム長 | 2アーム構成・分割して短縮可能 |
| 回転範囲 | 下アーム360°・上アーム上下角度調整可・ポールヘッド360°/180° |
| クランプ対応厚 | 最大60mm |
| ケーブル収納 | マグネット式カバー(着脱ワンタッチ) |
| 素材 | アルミニウム合金・ツヤ消し加工 |
| 付属品 | 変換アダプタ(3/8"・5/8")・アレンレンチ |
使ってわかった、3つのリアル
- モニター下に収納できる、という感覚が新しい。
使わないときはアームを折りたたんで、モニターの下にスッと退避させられる。普通のマイクアームは使わないときも視界に鎮座し続けるが、Wave Mic Arm LPは「しまえる」。打ち合わせが終わった後、資料作業に集中したいとき、マイクが目に入らない作業環境というのは、集中力への影響が小さくない。道具が「使うときだけ出てくる」という設計は、デスクという空間の質を上げる。 - マグネット式ケーブルカバーが地味に最高。
アーム上部にケーブルを収納し、マグネット式のカバーでパチンと閉じる。これだけのことだが、ケーブルがアーム内に消えた瞬間、デスクの印象がガラリと変わる。安価なマイクアームはケーブルが露出したまま宙を舞う。あの「生々しさ」がないだけで、セットアップ全体がひとつ上のグレードに見える。配信のカメラに映ったとき、背景のデスクがきれいかどうかは思った以上に視聴者の印象に影響する。 - SM7Bクラスの重量マイクでも、ずれない。
Shure SM7B(約765g)を載せた状態でも位置がずれないという報告が複数あり、実際の使用でも安定性は申し分ない。安価なアームにありがちな「少し触れただけでずれる」「時間が経つと自然に下がってくる」という現象とは無縁だ。アームの各関節をアレンレンチで締め込む仕様なので、一度固定すればそのポジションが維持される。締め付け加減が調整できるため、マイクを頻繁に動かす人も、固定派の人も、両方の使い方に対応できる。
正直に書く、気になる点
- クランプのハンドルが小さい。
壁際に設置するとレンチが回しにくい場面がある。ハンドルを下に引くと自由回転できる仕組みで対応はされているが、最初は少し戸惑う。 - 頻繁に高さ調整したい人には後継モデルも選択肢。
後継モデルの「Wave Mic Arm Pro」はガススプリング式になり、ワンタッチで高さ調整ができる。「毎回アームを動かして微調整したい」というアクティブな使い方をするなら、Proも選択肢に入る。Wave Mic Arm LPは「決めたポジションで固定派」向けだ。
こんな人に向いている
モニターの前にマイクやアームが被って視界が煩わしい人、顔出し配信でワイプにアームが映り込むのを解消したい人、デスクをすっきりさせたい・ケーブルを隠したい人、SM7BなどXLRマイクを使っていて安定したアームが欲しい人、デュアルモニター環境でアームの設置場所に困っている人には特におすすめできる。
総評
マイクアームに9,000円以上かける必要があるのか、と最初は思う。でも実際に導入すると、「なぜもっと早く買わなかったのか」と後悔する類の製品だ。
視界が開ける。ケーブルが消える。マイクが邪魔にならなくなる——その3つが同時に解決する。マイク本体に投資した後、最後に「デスクの完成度」を上げる一手として、Wave Mic Arm LPはほぼ間違いなく答えになる。