使わない季節の扇風機を、どこにしまっているか。その答えが変わる。10月になると扇風機をしまう。問題は、しまう場所だ。クローゼットの隅、押し入れの奥——どこに入れても場所を取る。翌年の5月に引っ張り出すとき、他の荷物をどかす手間がある。

コンパクトな扇風機を探していた。でも「コンパクト=機能が少ない」というイメージがあり、踏み切れなかった。YAMAZEN YHX-FGD304を知ったのは、「収納時23.5cm」という数字を見たときだ。A4ファイルボックスの高さとほぼ同じ。その数字が気になって調べ始めた。

YHX-FGD304とはどんな製品か

山善(YAMAZEN)が2025年4月に発売したDCモーター搭載ハイリビング扇風機。最大の特徴は「コンパクト収納」で、ヘッド・ポール・ベースに分解して全パーツをベースに収納できる。収納時の高さはわずか23.5cm。従来の扇風機と比べて体積が約1/3になる。

使用時はハイポジション(92cm)とローポジション(64cm)の2段階で高さを切り替えられ、リモコン付きで操作はすべて手元から完結する。

主要スペック

モーターDCモーター(省エネタイプ)消費電力19W
羽根径/枚数30cm / 7枚羽根
風量8段階+リズム風
左右首振り4段階(30°/60°/90°/120°)
上下角度手動で最大90°上向き対応
高さハイ920mm・ロー640mm(2段階)
収納時高さ約235mm(従来品比約1/3)
タイマー切タイマー1/2/4/6時間・オートOFF8時間
操作ワイヤレスフルリモコン・本体背面スイッチ

使ってわかった、3つのポイント

1. 収納時23.5cmは、想像以上に「使える」サイズ感

組み立て工程は4ステップ。ヘッドをポールに取り付け、ポールをベースに差し込み、リモコンをベースのポケットに収める——それだけだ。逆順で分解すると、高さ23.5cmのコンパクトな塊になる。

収納袋も付属しているので、シーズンオフはそのまま棚の空きスペースに立てておける。クローゼットに横積みする必要もなく、引き出しの隙間にも入る。「扇風機のしまう場所がない」という毎年の悩みが、これで完全に終わった。

2. DCモーター19Wの静音性は、寝室でも気にならない

一般的なACモーター扇風機の消費電力は50〜80W程度。YHX-FGD304は19Wだ。電力量が少ないということは、モーターの回転も滑らかで振動が少ない。その結果として静音性が高い。

就寝時に寝室で使った。最弱の風量では、動いているかどうか判断が難しいほど静かだ。眠りが浅い人にとって扇風機の音は気になりがちだが、この機種ではほぼ問題にならない。風量8段階という細かさも、「少しだけ」という微調整を可能にしている。

3. 上向き90°対応が、エアコンとの相性を上げる

扇風機を上向きにして使う機会が意外と多い。エアコンの冷たい空気は上から降りてくるが、床付近に溜まりやすい。扇風機を上向きに回すと、室内の空気が循環して冷房効率が上がる。

部屋干しの洗濯物の乾燥にも上向き送風は有効だ。洗濯物の下から風を当てると乾燥が格段に速くなる。YHX-FGD304は手動で90°まで上を向けられるので、このシーンにも対応できる。

正直に書く、気になる点

⚠ 注意点
  • 風量切り替えは1段ずつ。
    リモコンのプラス・マイナスボタンを1段ずつ押す方式。8段階あるので、最弱から最強への移動に7回押す必要がある。「一気に最強にしたい」という場面では少し煩わしい。
  • 上下角度はリモコン操作不可。
    左右首振りは4段階に対して、上下は手動調整のみでリモコン操作はできない。リモコンで全方向を制御したい人には物足りないかもしれないが、一度上向きに固定してしまえば頻繁に調整する場面は少ない。
  • 底面の説明シールが目立つ。
    ベージュ系のカラー展開は落ち着いた印象でインテリアに馴染みやすいが、本体底面に貼られた説明シールが目立つ。剥がせばすっきりする。

こんな人に向いている

  • 扇風機の収納場所に毎年困っている人
  • 寝室でも静かに使いたい人
  • エアコンと組み合わせて冷房効率を上げたい人
  • 部屋干しの乾燥を速くしたい人
  • 電気代を意識しながら使いたい人

総評

「扇風機なんてどれも同じ」と思っていた。でも毎年のしまう手間、収納スペースの圧迫、夜中の動作音——それらが積み重なると、地味にストレスだ。

YHX-FGD304はその「地味なストレス」を一つひとつ丁寧に解消している。収納、静音、省エネ、操作性——どれも必要十分以上の水準だ。扇風機を買い替えるタイミングなら、このコンパクト収納という選択肢は一度試す価値がある。