週末の朝、掃除機を出して、コードを引っ張って、部屋を往復する。終わったら今度はフロアワイパーにシートをつけて、しゃがんで、拭く。キッチンの油はねは膝をついてこすり落とす。1時間。せっかくの休みの、いちばん元気な時間を、それに使う。そして月曜にはまた床に髪の毛が落ちている。この賽の河原みたいな繰り返しを、たぶん何百回とやってきた。

ロボット掃除機は前から気になっていた。ただ、いいモデルは十数万円する。「掃除機に17万円は正気か」と、カートに入れては消してきた。それが今回、プライムセールで一気に59,800円。定価169,800円からの11万円引きだ。この価格なら、と初めて本気で検討したのが、この ルンバ Plus 575 Combo(R285060)だった。

主要スペック

製品名ルンバ(Roomba)Plus 575 Combo + AutoWash充電ステーション
型番R285060
清掃方式吸引+水拭き同時(1回の走行でこなす)
吸引力25,000Pa(従来モデル比で強力、カーペット奥のペットの毛も吸引)
水拭きSmartScrub:前後にこすり洗いする2倍の水拭き。床タイプを自動判別しカーペットは濡らさない
ステーションAutoWash:自動ゴミ収集/モップ温水洗浄・温風乾燥/洗剤自動投入。ゴミ捨ては約60日に1回
ナビ・回避マッピング+AI障害物回避。段差は約2cm以下(薄手ラグ・敷居程度)に対応
ボディ従来モデル比で体積46%小型化。家具下や狭い隙間にも入り込む薄型設計
操作専用アプリでスケジュール設定・遠隔操作
発売・販路2026年5月15日発売/オンライン限定モデル
参考価格定価169,800円 → プライムセールで59,800円(変動あり)

使って分かった「良かった点」

✓ 良かった点
  • 「掃除する」という作業が、予定表から消えた。アプリで時間を組めば、留守の間に吸引と水拭きを同時に済ませてくれる。帰宅すると床がサラッとしている。あの週末1時間の往復と雑巾がけが、生活からまるごと無くなった。空いた時間で二度寝もできる。これがいちばんの変化だ。
  • 水拭きが「なんちゃって」じゃない。SmartScrubは前後に圧をかけてこすり洗いするので、キッチンの油はねやダイニング下の食べこぼしの跡も、撫でるだけの水拭きとは別物に落ちる。梅雨時の裸足で歩いたときの、あの足裏の「サラッ」が毎日味わえる。
  • ステーションが、後始末まで全部やる。吸ったゴミは自動で収集、モップは温水で洗って温風で乾かし、洗剤まで自動投入。ゴミ捨ては約60日に一度でいい。「ロボットは動くけど手入れが面倒」という定番の不満を、この全自動ステーションがほぼ潰してくれた。汚れたモップを手で洗う屈辱から解放される。
  • とにかく小さい。吸引は容赦ない。従来比で体積46%小型化。ソファやベッドの下の、これまで諦めていた隙間に潜り込んでいく。それでいて25,000Paの吸引力で、猫の抜け毛の塊もダストボックスに溜まっていく。小ささと強さが両立しているのが素直に感心した点だ。
  • この価格なら、迷う理由が消える。定価169,800円のフラッグシップ級が59,800円。仮に掃除と拭き掃除に毎日30分使っていたなら、年間で約180時間。時間の価値で考えれば、個人的には一年かからず元が取れた感覚だった。「高い掃除機」ではなく「自由な時間を買う投資」だったと思っている。

正直に言う「注意点」

⚠ 注意点
  • ステーションは、それなりに場所を取る。全自動の代償として本体は大きめで、上のフタを開ける余白も要る。ワンルームや置き場所の少ない部屋だと存在感が圧迫感になりかねない。買う前に、メジャーで設置スペースと前後左右の余裕を測っておくべきだ。
  • 「完全に手放し」ではない。ゴミ捨てが約60日に一度で済む一方、水拭き用の給水や汚水タンクの排水は自分でやる必要がある。水回りの手入れそのものが面倒に感じる人は、この点だけは事前に納得しておいたほうがいい。
  • オンライン限定なので、実機を店で触れない。家電量販店に置いていないモデルなので、動きや音、サイズ感を店頭で確認できない。だからこそ、公式が出しているサイズや段差性能の数値を、自宅の環境と照らし合わせて判断する必要がある。
  • 段差と見守りは過信しない。越えられる段差は約2cm以下が目安で、それ以上の敷居や玄関の落差は苦手だ。また外出先から部屋を映す見守りカメラ機能は搭載しない。ここを求める人は上位・別系統のモデルを検討したほうがいい。

床にかがむのをやめたら、休日の顔つきが変わった

導入して一ヶ月。休日の朝に掃除機を出さなくなった。床はいつ見てもきれいで、髪の毛の吹きだまりを見つけて舌打ちすることもない。妻が「最近イライラしなくなったね」と言う。思い当たる節はある。名もなき家事のひとつが、静かに人生から抜けたのだ。

面白いのは、床がきれいだと、他の場所も整えたくなることだ。ソファに脱ぎっぱなしだった服をたたむ。テーブルの上を片づける。ルンバがスタート地点をきれいにしてくれるから、その先の重い腰が自然と上がる。掃除機一台の話のはずが、部屋全体の空気が変わった。これは想定していなかった副産物だった。

59,800円は、決して安くはない。だが「掃除機掛けと雑巾がけとモップ手洗い」という一生続く三重苦を、毎日肩代わりしてくれると思えば、この価格は破格だった。定価の169,800円で買うのはさすがに勇気がいるが、11万円引きの今なら話は別だ。安い機種を買い足して結局しゃがみ続けるくらいなら、この一台で床掃除ごと卒業する。そう言い切れる買い物だった。