シャワーヘッドに5万円。最初にその値段を見たとき、正直、笑った。風呂場でお湯を出すだけの道具に、ミドルクラスのスマホが買える金額。どうかしている、と。

それでも気になり続けたのは、シャンプーを変えても、ボディソープを変えても、夕方になると頭皮のベタつきが戻ってくる自分がいたからだ。40代も半ばを過ぎると、落ちない皮脂と乾燥が同居し始める。道具を疑う順番として、最後に残ったのがシャワーヘッドだった。選んだのは、ミラブルシリーズの最上位、サイエンスのミラブルzero。

主要スペック

方式ウルトラファインバブル(超微細気泡)生成シャワーヘッド
水流モード3種類:トルネードミスト/スプラッシュストレート/リングストレート
節水率ミスト約60%・リングストレート約40%・スプラッシュストレート約15%
塩素低減付属カートリッジ「トルネードスティック」(亜硫酸カルシウムフィルター)
止水機能手元一時止水ボタン(構造上、完全止水ではない)
サイズ/重量全長約220mm・全幅約110mm/約366g
素材ポリカーボネート樹脂(金属・メッキ不使用)
付属品トルネードスティック1本、アダプターセット、G1/2ネジチェッカーほか
生産国日本製
参考価格49,390円(税込・変動あり)

使って分かった「良かった点」

✓ 良かった点
  • ミストで洗った後の頭皮が、夜まで持つ。トルネードミストを頭皮に当てると、シャンプー前の予洗いだけで指の腹がキュッと鳴る。夕方のベタつきが明らかに軽くなったのが、導入して最初に実感した変化だった。
  • 水流の切り替えが、風呂の使い方を変える。顔と頭はミスト、体はスプラッシュストレート、風呂上がりの浴室の壁はリングストレート。1本のヘッドで役割が分かれると、シャワーが「浴びるもの」から「使う道具」になる。
  • 節水が、数字で効いてくる。ミスト水流は約60%の節水。うちは家族全員が使うので、水道代とガス代にじわじわ効く。5万円という初期投資を、毎日の固定費が少しずつ回収していく感覚がある。
  • 塩素低減で、風呂上がりの肌のつっぱりが減った。カートリッジで残留塩素を抑える仕組み。冬場に脛が粉を吹いていた身としては、保湿剤の減りが遅くなったことが何よりの証拠だと思っている。
  • 金属不使用の樹脂ボディ。全身ポリカーボネートで、メッキ剥がれや金属アレルギーの心配がない。約366gと数字は重めだが、持ち手のバランスが良く、実際に構えると数字ほどの重さは感じない。

正直に言う「注意点」

⚠ 注意点
  • 本体価格に加えて、維持費がかかる。塩素低減カートリッジは1〜3ヶ月ごとに交換が目安で、1本3,190円。年間で数千円台後半のランニングコストは覚悟が必要。買って終わりの道具ではない。
  • ミストは、ヘッドを離すと冷たく感じる。霧状の水流は空気に触れる面積が大きく、距離を取ると湯温が下がる。冬場は肌に近づけて使うのがコツ。ここを知らないと「ぬるいシャワー」という第一印象で終わりかねない。
  • コピー品・非正規流通が多い商品。ミラブルは偽物の流通が報道されるほど出回っている。購入時は正規販売店かどうか、出品元を必ず確認したい。相場より極端に安いものは疑ってかかるべき。
  • 設置環境を選ぶ。ホースとヘッドが一体型のシャワーや、温泉水・井戸水の環境では使えない。付属のネジチェッカーとアダプターで大半の家庭には付くが、購入前に自宅のシャワーの形式は確認しておきたい。
  • 見た目は、値段ほど高級ではない。白い樹脂ボディは機能優先の無骨なデザインで、5万円のオーラはない。所有感より実用で選ぶ道具だ。

「風呂は面倒」が消えた、その後の話

導入して変わったのは、肌や頭皮だけではなかった。一番の変化は、風呂に入るまでの腰の重さが消えたことだ。ミストを顔に当てている時間が、一日の終わりの区切りになっている。大げさに聞こえるかもしれないが、毎日必ず使う道具の質を上げるというのは、こういうことなのだと思う。

5万円は、シャワーヘッドの値段としては明らかに高い。ただ、毎日10分、家族全員が365日使う道具として割り算をすると、見え方が変わってくる。スマホには10万円を払うのに、毎日肌に直接触れる水には1円も投資してこなかった。その順番が正しかったのかどうか。個人的には、順番を入れ替えて正解だったと思っている。

笑っていたはずの5万円を、いまは家族に勧めている。それがこの製品の答えだ。