牛乳パックを入れてボタンを押す。翌朝には1リットルのヨーグルトができている。それだけで、月のコストが変わる。
ヨーグルトを毎日食べる人間の、地味な計算
朝食にヨーグルトを食べる習慣がある。400〜500gのパックを週2〜3本消費する。年間で計算すると、ヨーグルトだけで数千円から1万円近くになる。
ヨーグルトメーカーの存在は知っていたが、「手間がかかりそう」「失敗しそう」という先入観で後回しにしていた。IYM-016を使い始めて、その先入観が完全に覆った。
牛乳パック(1L)に市販のヨーグルトを大さじ2杯加えて混ぜる。パックをそのままセットしてボタンを押す。8〜9時間後、1リットルのヨーグルトが完成している。洗い物はスプーン1本だけ。
IYM-016-Wとはどんな製品か
アイリスオーヤマが手がけるヨーグルトメーカーの2023年モデル。旧来の専用容器型と異なり、市販の牛乳パック・豆乳パックをそのままセットして使える「パック対応型」だ。900mLの専用容器も付属しており、少量を作りたいときはそちらを使う。
温度設定25〜65℃・タイマー1〜48時間という幅広い対応が、ヨーグルト以外の発酵食品・低温調理まで一台でまかなえる設計を可能にしている。
| 容量 | 専用容器900mL・牛乳/豆乳パック1000mLまで対応 |
|---|---|
| 温度設定 | 25〜65℃(1℃刻み) |
| タイマー | 1〜48時間(1時間刻み) |
| 自動メニュー | 7種類(プレーン・カスピ海・甘酒・塩麹・飲むヨーグルト・サラダチキン・豆乳ヨーグルト) |
| 消費電力 | 35W |
| 本体サイズ | 幅156×高276×奥行158mm・重量0.8kg |
| 付属品 | 専用容器・容器フタ・スプーン・水切りカップ・牛乳パック用クリップ・レシピブック |
使ってわかった、3つの発見
1. 「洗い物がない」という設計の気持ちよさ
牛乳パックをそのまま使える、という一点が生活のハードルを大きく下げる。専用容器型のヨーグルトメーカーは、使うたびに容器を洗う必要がある。衛生面で気を使い、乾燥させて片付けて——その手間が「今日は作らなくていいか」につながる。
IYM-016はパックをそのまま使うので、終わったらパックを捨てるだけ。スプーン1本洗えばいい。この「手間ゼロに近い設計」が、毎日続く習慣になる理由だ。
2. ヨーグルト以外が、意外と使える
甘酒を作ったときに気づいた。米麹と水を容器に入れて、甘酒モードに設定するだけ。8時間後、市販品とは比べ物にならないほど濃くて甘い甘酒ができていた。添加物ゼロ、砂糖ゼロ。これが飲める甘さになるのは、麹の酵素の力だ。
塩麹も同じく自動メニューで作れる。塩麹は市販品を買うと割高だが、自宅で作ればコストは大幅に下がる。しかも出来立ては香りが段違いだ。鶏肉の下味に使うと、火の通りとしっとり感が市販の塩麹を上回る。
低温調理でサラダチキンも自動メニューにある。63℃で90分、これだけで胸肉がしっとりと仕上がる。毎週のルーティンに入れると、タンパク質の確保コストが目に見えて下がる。
3. コスパの実態を正直に計算する
牛乳1L(約200円)+種菌となる市販ヨーグルト大さじ2(約15円相当)で1Lのヨーグルトができる。市販の400gヨーグルトが200〜250円とすると、1L換算で500〜600円。自作コストの約3倍だ。
6年間・200回以上使い続けているユーザーのレポートもあり、耐久性も問題ない。本体価格の元は10回足らずで取れる計算になる。毎日食べる家庭にとって、これは地味だが確実な節約だ。
正直に書く、気になる点
- 温度の維持精度はやや甘い。
専門的な検証では設定温度±2℃の維持時間が他機種より短いという結果もある。ただし、プレーンヨーグルトや甘酒といった一般的なメニューでは失敗なく作れるレベルであり、実用上の問題にはほぼならない。温度管理がシビアな特殊な発酵食品を作りたい場合は、こまめな確認を推奨する。 - 発酵に8〜9時間かかる。
「今すぐ食べたい」には対応できない。寝る前にセットして翌朝完成、というルーティンを組む必要がある。これは習慣化さえすれば気にならないが、最初の数回は忘れることもある。
総評
ヨーグルトメーカーは「健康家電」の中で、最もコストパフォーマンスが目に見えやすいカテゴリだと思う。投資した金額が食費の削減として毎週返ってくる。しかも手間がほぼゼロで、出来上がったものが市販品より美味しい。
IYM-016は5,000円前後という価格帯で、牛乳パック対応・7種自動メニュー・低温調理まで一台でこなす。発酵食品入門として、この一台から始めることに間違いはない。