録った自分の弾き語りを聴き返して、絶望したことがある。

スマホのイヤホンで聴いていたときは「まあまあいいじゃん」と思っていた。でも友達のPCスピーカーで流した瞬間、ギターの低音がボワボワに膨らんで、ボーカルが後ろに埋もれているのがバレた。イヤホンが全部を丸めて誤魔化してくれていただけだった。

そこから「原音を確認できるヘッドホン」を探して、行き着いたのがATH-M20xだった。プロのスタジオでも使われるMシリーズの入門機。値段は1万円を切る。正直、期待しすぎないようにして箱を開けた。

主要スペック

型式密閉ダイナミック型
ドライバーφ40mm CCAWボイスコイル
再生周波数帯域15〜20,000Hz
出力音圧レベル96dB/mW
インピーダンス47Ω
最大入力700mW
質量約190g(コード除く)
コードOFCリッツ線 3.0m 片出し
プラグφ6.3mm標準/φ3.5mmミニ 金メッキステレオ2ウェイ
参考価格7,700円前後(税込・変動あり)

使って分かった「良かった点」

✓ 良かった点
  • 音が全然こもらない。低音がドンと膨らむのではなく、輪郭を保ったまま鳴る。弾き語りを録音して聴き返したとき、ギターの粒立ちとボーカルの位置関係がはっきり分かるようになった。
  • 中高音が控えめで長時間でも耳が疲れない。サ行が刺さらない。歌詞の粗探しをするような聴き方より、演奏全体のバランスを確認する用途に向いている。
  • 密閉型なのに圧迫感が少ない。ハウジングが上下左右に動くので、頭の形に自然に沿ってくれる。1〜2時間の宅録セッションくらいなら装着感が気にならない。
  • コードが太くてちぎれる心配がない。安いヘッドホンにありがちな「コードの根元から断線」という不安が薄い。3mあるのでPCデスクから少し離れて弾いても余裕がある。
  • この価格でモニター音を体験できる。1万円以下で「原音に忠実」を謳える製品はそう多くない。個人的には、最初の一台にこれを選んで正解だったと思っている。

正直に言う「注意点」

⚠ 注意点
  • 側圧はやや強め。メガネをかけたまま長時間つけていると、こめかみのあたりに痛みを感じる場面があった。メガネユーザーは装着時間を区切ったほうがいい。
  • 低音の主張はゼロではない。完全にフラットというより、中低音にわずかなピークがある。粗探し用のレコーディングモニターとしては上位機種に譲る。
  • 折りたたみ機構がない。3mコードと合わせて、持ち歩き前提の設計ではない。あくまでデスク据え置きで使うヘッドホンだと割り切ったほうがいい。
  • 単体でBluetooth接続はできない。ワイヤレスが欲しいなら上位互換のATH-M20xBTを検討する必要がある。

「音を確認する」ことの意味を知った

ATH-M20xを使い始めてから、録音した音源を聴き返すのが怖くなくなった。イヤホンで誤魔化されていた粗が見える。見えるから直せる。直せるから、次に投稿する動画や配信の音が少しずつ良くなっていく。

楽器の練習用としても悪くない。ギターの練習中、アンプの音とヘッドホンの音の差が小さいので「本番でどう聴こえるか」を想像しやすくなった。DTMをかじり始めた友達に貸したときも「え、これ1万円しないの」と驚かれた。

高級機に手を出す前の一台として、これほど分かりやすい入り口はないと思う。

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1万円以下とはいえ、学生の財布には決して軽くない出費だ。だからこそ、購入のついでにPrime Student(旧Amazon Student)を確認しておきたい。学生用のメールアドレスがあれば6ヶ月間無料で使えて、お急ぎ便が使い放題になる。年会費も通常のPrimeの半額なので、宅録機材をこれから買い足していく人ほど恩恵が大きい。

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