ペットボトルの水を毎週買って運ぶのが地味に重い。かといって据え置きの浄水器を付けるほどではない——そんな温度感で「浄水ポット」を探すと、必ず名前が挙がるのがブリタ・クリンスイ・トレビーノの3ブランドだ。ただ、店頭でもAmazonでも型番が入り乱れていて、結局どれを選べば失敗しにくいのか、ブリタとクリンスイでどっちがいいのか、判断材料がそろわない。この記事では各社の代表的なポット型浄水器を1台ずつ取り上げ、公表スペックを突き合わせて整理した。比べる軸は、除去性能とPFAS対応・カートリッジの交換頻度と年間コスト・容量とろ過時間の3つだ。

この記事の結論

  • 迷ったらこれ。除去性能と年間コストのバランスがよく、失敗しにくい クリンスイ CP504-BLBEST 17+3物質除去・PFAS(PFOS/PFOA)対応・年間カートリッジ代 約¥5,700・全容量1.7L — 参考 ¥3,218
  • 本体を安く、待たずに使いたい人。置き場所を最小にしたい一人暮らし向け トレビーノ PT306SV-AZ 本体最安 ¥2,980・ろ過0.3L/分の高速ろ過・浄水部0.8Lの省スペース — 参考 ¥2,980
  • 一度に多めに作りたい人。交換時期を通知で管理したい、デザインで選びたい人 ブリタ リクエリ 全容量2.2Lで最大・液晶メモで4週間ごとに交換通知・ホワイト/パウダーブルー — 参考 ¥4,280

まず分かれるのは「何を最優先にするか」

3台はどれもポット型浄水器で、上から注いだ水道水がフィルターを通って下にたまる、いわゆる重力式という点は共通している。塩素やカビ臭を減らし、近年注目される有機フッ素化合物PFAS(PFOS/PFOA)にも各社が対応をうたう点も同じだ。つまり「水道水をそのまま飲むより安心して口にしたい」という基本の目的なら、どれを選んでも大きくは外さない。

差が出るのは、その先の使い勝手とコストだ。クリンスイ CP504-BLは除去性能と年間コストのバランス型、トレビーノ PT306SV-AZは本体が最も安く高速ろ過が持ち味、ブリタ リクエリは容量が最大で交換時期を液晶で知らせてくれる。まずは3台の立ち位置とスペックを並べる。

迷ったらこれ

クリンスイ CP504-BL ポット型浄水器

クリンスイ CP504-BL

¥3,218

  • 17+3物質除去・PFAS対応
  • 年間カートリッジ代 約¥5,700
  • 全容量1.7L・ろ過中も使える構造
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最安・高速ろ過

東レ トレビーノ PT306SV-AZ ポット型浄水器

トレビーノ PT306SV-AZ

¥2,980

  • 本体3社で最安
  • ろ過0.3L/分の高速ろ過
  • 浄水部0.8Lの省スペース
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大容量・交換通知

ブリタ リクエリ ポット型浄水器 マクストラプロ

ブリタ リクエリ

¥4,280

  • 全容量2.2Lで3社最大
  • 液晶メモで交換時期を通知
  • ホワイト/パウダーブルー
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項目 クリンスイ CP504-BLBEST トレビーノ PT306SV-AZ ブリタ リクエリ
参考価格(本体) ¥3,218 ¥2,980 ¥4,280
メーカー 三菱ケミカル・クリンスイ 東レ ブリタ(独)
ろ過水容量 1.0L 0.8L 1.15L
全容量 1.7L 1.2L 2.2L
本体サイズ
(幅×奥行×高さ)
10.8×18.6×26.4cm 15.1×8.6×29.2cm 20.2×11.0×28.4cm
本体重量 約482g 約470g
カートリッジ CPC5Z PTC.SV2J-Z マクストラプロ
ピュアパフォーマンス
除去項目 17+3物質 17項目 15+1項目
PFAS(PFOS/PFOA) 80%以上除去
(JWPAS B.210準拠試験)
除去対象 除去試験済
総ろ過水量
(1本あたり)
200L 200L 150L
交換目安
(1日2L使用)
約3か月 約3か月 4週間ごと
ろ過流量 0.10L/分 0.3L/分
カートリッジ価格
(入数)
約¥4,278(3個入り) 約¥4,780(3個入り) 約¥4,290(4個入り)
年間カートリッジ代
(1日2L・推奨交換)
約¥5,700(年4個) 約¥6,400(年4個) 約¥13,900(年約13個)
交換時期の表示 フタのカレンダー式目盛 液晶メモ(4週カウント)
ろ過中に注げるか 可(原水と混ざらない構造) 可(高速ろ過) 満水を待つ重力式
カラー ブルー/グリーン ホワイト(グリーンのフタ) ホワイト/パウダーブルー
向いている人数 1〜2人 1人 2〜3人
購入先 Amazon・楽天市場 Amazon Amazon・楽天市場
総合スコア 9.0 / 10 8.7 / 10 8.5 / 10

太字=各項目で仕様がより優れる、または優位な項目。「—」=執筆時点で公式情報を確認できなかった、または機能として搭載されない項目。除去項目数はメーカーごとに試験基準や表記方法が異なるため、数字の大小だけで優劣を決めていない。年間カートリッジ代は「1日2L使用・各社が推奨する交換サイクル・調査時点の参考価格(入数で割った1本あたり単価)」で算出した目安で、実際の使用量・購入価格で変わる。価格・仕様は変動する場合がある。

交換頻度だけでは分からない、1年間のカートリッジ代

浄水ポットの本当のコストは、本体価格ではなくカートリッジ代で決まる。本体はどれも3千〜4千円台に収まるが、消耗品を1年、2年と買い続けると差が積み上がっていく。ここが浄水ポットのコスパを左右する最大のポイントだ。

まず前提をそろえる。クリンスイ CP504-BLのCPC5Zとトレビーノ PT306SV-AZのPTC.SV2J-Zは、どちらも1本で総ろ過水量200L、1日2Lの使用で約3か月が交換目安だ。年に4本使う計算になり、3個入りの実売価格から1本あたりの単価を出すと、クリンスイが約¥1,426、トレビーノが約¥1,593。年間のカートリッジ代はクリンスイが約¥5,700、トレビーノが約¥6,400で、この2台は近い水準に収まる。

大きく事情が違うのがブリタだ。マクストラプロ ピュアパフォーマンスのカートリッジは1本あたり約¥1,073と単価では最も安いのに、メーカーが衛生面から4週間ごとの交換を推奨している。1日2Lなら4週間でろ過する量は約56Lで、総ろ過水量150Lには届かないが、公式の目安は水量ではなく期間だ。この推奨どおりに替えると年に約13本、カートリッジ代は約¥13,900と3社で最も高くなりやすい。「ブリタはカートリッジが高い」と言われがちなのは、単価ではなく交換頻度が理由だ。水量ベースの150Lまで引っ張れば年5本程度に抑えられるが、その運用はメーカー推奨とは異なる点を理解して選びたい。

まとめると、年間コストで選ぶならクリンスイかトレビーノ、なかでも単価と交換頻度の両面でクリンスイがわずかに有利だ。ブリタは「大容量」「交換通知」という価値と引き換えにランニングコストが上がる、という理解で選ぶのが正しい。カートリッジが長持ちするかどうかは総ろ過水量と推奨交換サイクルの両方で見る必要がある。

除去項目数より、確認したいのは「PFAS対応」と方式

「17+3物質」「17項目」「15+1項目」——比較表の除去項目を見ると数字が近く、つい多いほうが高性能に見える。ただ、この数字はメーカーごとに試験の基準も数え方も違うため、単純な足し算で優劣は付けられない。実際に確認したいのは、自分が気にする物質が除去対象に入っているかどうかだ。

3台に共通するのは、塩素・カビ臭・トリハロメタン類といった水道水で気になりやすい物質に加え、有機フッ素化合物PFAS(PFOS/PFOA)への対応をうたっている点。とくにクリンスイ CP504-BLは、中空糸膜と活性炭・セラミックを組み合わせたフィルターで、浄水器協会の自主規格JWPAS B.210に基づく試験でPFOS及びPFOAを80%以上除去できることを確認済みとしている。赤サビや雑菌など、活性炭だけでは取りきれない成分にも中空糸膜で対応する構成だ。トレビーノ PT306SV-AZも高除去タイプで、塩素からPFOS/PFOAまで幅広い項目をカバーする。ブリタは活性炭とイオン交換樹脂を中心とした方式で、PFOS/PFOAの除去試験済みをうたう。

浄水ポットの除去項目で迷ったら、「項目数の多さ」より「PFASに対応しているか」「赤サビ・雑菌まで取りたいか(=中空糸膜があるか)」の2点で見ると選びやすい。3台とも日常の飲用には十分な性能を備えているので、ここは大きな決め手というより、安心材料の確認という位置づけでいい。

一人暮らしと家族、選ぶべき容量とろ過時間は違う

毎日使う道具だからこそ、容量・ろ過時間・冷蔵庫への収まり・お手入れのしやすさといった生活面の違いは効いてくる。ここは用途で選ぶべきポイントだ。

容量で見ると、ブリタ リクエリが全容量2.2L・ろ過水1.15Lで最も大きく、家族で使う・料理にも使うといった多めに作りたい場面に向く。クリンスイ CP504-BLは全容量1.7Lで1〜2人にちょうどよく、トレビーノ PT306SV-AZは浄水部0.8L・全容量1.2Lと最もコンパクトで、一人暮らしや「自分の分だけ手早く」という使い方に合う。

ろ過時間も無視できない。数値上のろ過流量はトレビーノが0.3L/分と速く、高速ろ過を売りにしている。クリンスイは0.10L/分とゆっくりめだが、原水とろ過水が混ざらない構造でろ過の途中でも注げるため、待たされる感覚は少ない。ブリタは重力式で満水になるのを待つタイプで、ろ過流量は公表されていない。「待ちたくない」を重視するならトレビーノ、という整理になる。

設置面では、3台とも冷蔵庫のドアポケットを意識したスリム設計だが、幅と高さは意外と差がある。ブリタは幅20.2cmとやや横に広く、購入前にドアポケットの幅を測っておくと「冷蔵庫に入らない」を防げる。トレビーノは奥行8.6cmの薄型、クリンスイは幅10.8cmの細身で、狭いポケットにも収まりやすい。お手入れは3台ともフタ・ポット・フィルター部を取り外して洗える構造で、お手入れのしやすさに大きな差はない。清潔に保ちやすいかは、こまめに洗えるかどうかの運用側の要素が大きい。

01クリンスイ CP504-BL|性能とコスパのバランスがいい、迷ったらこれ

どれにするか迷っている人、除去性能とランニングコストの両方を欲張りたい1〜2人世帯に。

三菱ケミカル・クリンスイが2025年に投入したコンパクトモデルで、除去性能と年間コストのバランスがこの3台では頭ひとつ抜けている。中空糸膜と活性炭・セラミックを組み合わせたフィルターCPC5Zは、PFOS/PFOAを80%以上除去(JWPAS B.210準拠試験)としながら、赤サビや雑菌まで対象に含む。総ろ過水量は200Lで交換目安は約3か月、年間のカートリッジ代は約¥5,700と3台で最も安く収まる。全容量1.7L・ろ過水1.0Lは1〜2人にちょうどよく、幅10.8cmの細身で冷蔵庫のドアポケットにも収めやすい。原水とろ過水が混ざらない構造で、ろ過の途中でも注げるのも日常使いで効いてくる。

良い点

  • 年間カートリッジ代が3台で最安の約¥5,700。
    総ろ過水量200L・約3か月交換で、消耗品コストを抑えやすい。
  • PFASに加え赤サビ・雑菌まで対象。
    中空糸膜を持つ方式で、活性炭だけでは取りきれない成分にも公式に対応をうたう。
  • ろ過中でも注げる構造。
    原水とろ過水が混ざらないため、ろ過流量0.10L/分でも待たされる感覚が少ない。
  • 幅10.8cmの細身で収まりがよい。
    冷蔵庫のドアポケットにも入れやすいスリム設計。

注意したい点

  • 本体重量は公式に確認できなかった。
    持ち運びの軽さを重視する場合は、店頭などで実機を確かめておきたい。
  • 交換時期を知らせる表示は持たない。
    ブリタの液晶メモのような通知はなく、交換時期は自分で管理する必要がある。
  • ろ過流量は0.10L/分とゆっくりめ。
    数値上の速さを求めるならトレビーノに一歩譲る。

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交換カートリッジ|クリンスイ CPC5Z(3個入り)

1本で総ろ過水量200L・1日2Lなら約3か月が交換目安。3個入りで約9か月分、実売 約¥4,278(1本あたり約¥1,426)。

02トレビーノ PT306SV-AZ|本体最安、高速ろ過の省スペース型

まず安く始めたい人、ろ過を待ちたくない人、置き場所を最小にしたい一人暮らしに。

東レのトレビーノ PTシリーズの高除去タイプで、本体が3台で最も安い¥2,980から手に入る。持ち味はろ過流量0.3L/分の高速ろ過で、注ぎたいときの待ち時間が短いのが数値上の強みだ。カートリッジPTC.SV2J-Zは塩素からPFOS/PFOAまで17項目を除去対象とし、総ろ過水量は200L、1日2Lで約3か月(1日3Lなら約2か月)が交換目安。浄水部0.8L・全容量1.2Lと容量は控えめだが、奥行8.6cmの薄型ボディは狭い冷蔵庫のドアポケットにも収まりやすく、一人暮らしの「自分の分だけ手早く」という使い方にはむしろ合う。

良い点

  • 本体価格が3台で最安の¥2,980。
    浄水ポットを試す入り口として手を出しやすい。
  • ろ過流量0.3L/分の高速ろ過。
    数値上は3台で最も速く、注ぎたいときの待ち時間が短い。
  • 奥行8.6cmの薄型で省スペース。
    狭い冷蔵庫のドアポケットにも収めやすい。
  • 17項目を除去対象、PFOS/PFOAにも対応。
    高除去タイプで、飲用の安心材料としては十分。

注意したい点

  • 容量は浄水部0.8Lと最も小さい。
    家族で使う・料理にも多めに使う用途にはやや不足しやすい。
  • 年間カートリッジ代は約¥6,400。
    性能は近いクリンスイより、単価が高いぶん年間コストはやや上がる。
  • 楽天の本体リンクは今回確認できなかった。
    本体はAmazon中心。交換カートリッジは楽天でも購入できる。

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交換カートリッジ|トレビーノ PTC.SV2J-Z(3個入り)

1本で総ろ過水量200L・1日2Lなら約3か月(1日3Lなら約2か月)が交換目安。3個入りで実売 約¥4,780(1本あたり約¥1,593)。

03ブリタ リクエリ|大容量と交換通知で選ぶ定番ブランド

一度に多めに作りたい人、交換時期を通知で管理したい人、デザインで選びたい人に。

浄水ポットの代名詞ともいえるブリタの現行モデル。全容量2.2L・ろ過水1.15Lは3台で最も大きく、家族で使ったり料理に回したりと、まとめて浄水したい場面に強い。付属のマクストラプロ ピュアパフォーマンスは15+1項目を除去対象とし、PFOS/PFOAの除去試験済みをうたう。最大の個性は液晶メモで、4週間ごとの交換時期をカウントして知らせてくれる。交換を忘れがちな人には安心材料だ。ホワイトとパウダーブルーのカラーがあり、そのまま食卓に置いても様になるデザイン性も、このブランドを選ぶ理由になりやすい。

良い点

  • 全容量2.2Lで3台最大。
    家族での使用や料理への活用など、多めに作りたい用途に向く。
  • 液晶メモで交換時期を通知。
    4週間ごとにカウントして知らせるため、交換忘れを防ぎやすい。
  • カラーとデザイン性の高さ。
    ホワイト/パウダーブルーがあり、食卓に置いてもなじむ。
  • カートリッジの入手性が高い。
    定番ブランドで、スーパーや量販店でも替えを見つけやすい。

注意したい点

  • 年間カートリッジ代が約¥13,900と最も高くなりやすい。
    メーカーが4週間ごとの交換を推奨しており、年約13本が目安になる。
  • 幅20.2cmとやや横に広い。
    冷蔵庫のドアポケットに入るか、購入前に幅を測っておきたい。
  • ろ過は満水を待つ重力式。
    ろ過流量は公表されておらず、注ぐたびの手早さでは他2台に譲る場面がある。

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交換カートリッジ|マクストラプロ ピュアパフォーマンス(4個入り)

総ろ過水量150L・メーカー推奨は4週間ごとの交換。4個入りで実売 約¥4,290(1本あたり約¥1,073)。単価は安いが、交換頻度が高いぶん年間コストは上がりやすい。

まとめ|「何を優先するか」を決めれば、答えは出る

3台とも「水道水より安心して飲みたい」という基本は満たしており、PFAS対応という共通点もある。そのうえで迷ったら、除去性能と年間コストのバランスがよく失敗しにくいクリンスイ CP504-BLを選べば大きく外さない。17+3物質・PFAS対応でありながら、年間カートリッジ代 約¥5,700と維持費を抑えられ、この記事のベストとした。とにかく本体を安く、待たずに使いたい・置き場所を最小にしたいなら、¥2,980で高速ろ過のトレビーノ PT306SV-AZ。一度に多めに作りたい、交換時期を通知で管理したい、デザインで選びたいなら、全容量2.2Lで液晶メモを備えたブリタ リクエリが向く。

浄水ポットのおすすめは「一番いい1台」ではなく、容量・ろ過時間・年間コストのどれを優先するかで決まる。自分の使い方に当てはめれば、答えはおのずと絞れるはずだ。

今回比較した3台の購入リンク